【書評】10分後にうんこが出ます: 排泄予知デバイス開発物語
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僕は少し前まで入院していたのですが、群馬県高崎市という縁もゆかりもない場所にある病院に入院することになりました。
その後東京の病院に転院する予定があったこともあって、5日入院したもののお見舞いに来たのは4組。
わざわざ来てくれるだけでありがたいのですが、1日1組ペースなのでお見舞い対応してたら入院終わってた的なものではなく、とにかく時間が余りました。
体中痛い、小指が折れているのでキーボードを打てない、となるとやることが限られるんです。
結果一番やったのはSwitchのマリオカートなんですが(小指は使わない)、それ以外にも本を5冊読みました。
その中で個人的に最も面白かった下記の本の紹介をさせてください。
手に取ったきっかけ
アンテナを高く持って最新技術を社内に広め、価値ある仕事を増やしていくこと。
わかりやすい例を一つ挙げると、申込書を見てそれを社内システムに登録するような事務的な仕事を減らすためのロボットを作るのが僕の仕事です。
ロボット以外にも今は人工知能やチャットボットなどあらゆる最新技術があるのですが、最近それらに負けずとも劣らず勢いがあるのがIoT(Internet of Things)です。
IoTは通称モノのインターネット。
わかりやすい例で言うとスマホと連動するお掃除ロボット、ルンバ(スマホ連携は900シリーズのみ)とかですね。
我が家は分業制で掃除は僕担当なのですが、これを導入してからというものの、作業時間は95%ほど削減することが出来ました。
骨折のせいでまだ体は十分に動かせませんが掃除のクオリティはそのままという素晴らしい体験をし、その魅力を肌で感じています。
まだまだ発展途上ではありますが、例えば冷蔵庫の扉が閉まったタイミングで入っている食材をインターネットにアップロードし、現在作ることのできるレシピをクックパッドで自動検索してスマホにお知らせ、のような機能を持ったIoT冷蔵庫なんかが出てくるのも時間の問題です。
元々僕が新しいもの好きということもあり、「排泄予知デバイス開発物語」に心惹かれました。
うんこ漢字ドリルとか流行ってるし、うんこ関連書籍でも読んどくか、ではありません笑
あらすじ
新卒で入社したコンサルを退職し、29歳で起業すべくカリフォルニア大学バークレー校に留学中に悲劇は起こりました。
一人暮らしの家からホームステイ先へと荷物を運んでいる途中、彼はうんこを漏らします。
かと言ってホームステイ先の家族に「始めまして、うんこ漏れてるので替えのパンツください」はさすがに言えません。
色々あってその場は乗り切るのですがこの壮絶な経験をきっかけに、彼は同じ想いをするような人間があってはならないと排泄予知デバイス開発を決意します。
彼が開発するのは、直接お腹に貼り付ける端末で腸内の便の大きさなどを測る装置。
文系出身で一切開発の出来ない彼が、超音波の第一人者や中高の同級生を巻き込みながら開発を進める、笑い多め、感動有りのノンフィクションです。
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読んだ感想
10分後にうんこが出ます。
そんなことがわかったところで意味あんの?
電車乗る前にトイレに一応行っておこう、とか?
そんな考えを持つ方もいらっしゃるでしょう。
たわけ。
慢性的な人手不足に悩む介護業界。
その介護業界に携わる人の一番の退職要因は排泄補助(漏らした場合の処理など)です。
排泄行為をコントロール出来ない方は日本だけで3,200万人以上。
介護士によるその方たちの排泄補助が不要になったら世の中変わると思いませんか?
世界中で流行れば間違いなく革命と呼べると僕は思います。
オムツ業界の方には申し訳ありませんが、オムツを外すだけで人間としての尊厳が保たれ、人生に張りが生まれると行っても過言ではありません。
お腹の張りは不安しか生まないですけど(←)
これからどんどん増えていくシニア層。
元気になれば日本ごと元気になれる気がします。
人が生きている以上、排泄は切っても切れない関係にあります。
そこにメスを入れ社会的意味を見出す、そしてそれで稼ぐ。
こんな素晴らしい話、そうそう聞けないと思います。
うんこ予測?アホだで済ませるには余りに勿体無い話。
彼のピンチをチャンスに変える能力、周囲を巻き込む力は誰の目にも尊敬できます。
汚くても明るい話、読んでみませんか?
全日本人にオススメの一冊です。
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